再建築不可物件でも活用できる?シェアハウスなど7つの方法と売却・再生の判断ポイント

「相続した実家が再建築不可だった」

「売却を相談したら、想定よりもかなり低い査定額を提示された」

「建て替えられないなら、活用する方法はないのだろうか」

このようなお悩みを抱えている物件所有者の方は少なくありません。

再建築不可物件は、一般的な土地や戸建てに比べて売却や融資が難しくなる傾向があります。しかし、再建築できないからといって、現在の建物を活用できないとは限りません。

建物の状態や立地、接道状況、所有者様の目的によっては、賃貸住宅やシェアハウス、事務所、店舗などとして再生できる可能性があります。また、隣地との交渉や建築基準法上の許可制度によって、将来的に再建築できる状態を目指せるケースもあります。

この記事では、再建築不可物件の基本的な考え方と、具体的な活用方法、検討する際の注意点を解説します。

目次

再建築不可物件とは

再建築不可物件とは、現在ある建物を解体したあと、原則として新しい建物を建てられない土地や物件のことです。

都市計画区域や準都市計画区域では、原則として建築物の敷地が、建築基準法上の道路に2メートル以上接している必要があります。一般的には、幅員4メートル以上の道路への接道が求められます。これを「接道義務」といいます。

例えば、次のような物件は再建築不可と判断されることがあります。

  • 敷地が建築基準法上の道路に接していない
  • 道路に接している間口が2メートル未満
  • 敷地までの通路が他人の土地になっている
  • 接している道が建築基準法上の道路として認められていない
  • 路地状敷地の幅員が基準を満たしていない

ただし、「見た目では道路に接している」「自動車や人が通行できる」というだけでは、建築基準法上の道路に該当するとは限りません。

再建築できるかどうかを正確に判断するには、役所での道路種別調査や、登記簿、公図、測量図、建築計画概要書などの確認が必要です。

再建築不可でも現在の建物は使える?

再建築不可物件であっても、現在の建物が直ちに使用できなくなるわけではありません。

建物の安全性や法令上の問題がなければ、住宅として住み続けたり、賃貸に出したり、一定の改修を行ったりできる可能性があります。

一方で、次のような工事や活用方法では、建築基準法、消防法、自治体の条例などの確認が必要になることがあります。

  • 柱や梁、屋根などを大きく変更する工事
  • 建物の増築
  • 住宅から店舗、福祉施設、宿泊施設などへの用途変更
  • シェアハウスや共同住宅への変更
  • 防火・避難設備に関係する改修
  • 建物の主要構造部に関わる大規模な修繕・模様替え

2025年4月以降は建築確認制度が見直され、2階建て以上または延べ面積200平方メートルを超える建物などについて、改修時の確認範囲が従来より広がっています。

「建て替えではなくリフォームだから問題ない」と自己判断せず、計画段階で建築士や行政に確認することが重要です。

再建築不可物件の7つの活用方法

1.戸建て賃貸として活用する

比較的取り組みやすい方法が、現在の建物を改修し、戸建て賃貸として貸し出す方法です。

特に次のような物件は、賃貸需要が見込める可能性があります。

  • 駅や商業施設から近い
  • ファミリー世帯が多い地域にある
  • 庭や収納スペースがある
  • ペット飼育可能な物件が少ない地域にある
  • 一般的な賃貸住宅より広い
  • 家賃を周辺相場より抑えられる

再建築不可物件は取得価格や固定資産評価が比較的低い場合があるため、改修費を抑えられれば、投資額に対して一定の賃料収入を得られる可能性があります。

ただし、築年数が古い物件では、雨漏り、シロアリ、傾き、給排水管、電気設備、耐震性などの調査が欠かせません。

表面上はきれいでも、見えない部分に大きな修繕費がかかることがあります。

2.シェアハウスとして活用する

個室を複数確保できる戸建てであれば、シェアハウスとして活用できる可能性があります。

シェアハウスは、一つの建物を複数の入居者に貸し出すため、一般的な戸建て賃貸よりも収益性を高められるケースがあります。

例えば、戸建て全体で月額15万円の賃料が想定される物件でも、個室5室をそれぞれ月額5万円で貸し出せれば、満室時の賃料収入は月額25万円になります。

ただし、単純に部屋ごとに貸せばよいわけではありません。

次のような点を総合的に検討する必要があります。

  • 建物の用途や自治体の条例
  • 消防設備の設置
  • 避難経路の確保
  • 個室数と共用部分のバランス
  • 防音性
  • キッチン、トイレ、浴室の数
  • 近隣への配慮
  • 入居者募集と運営管理体制

建物によっては、消防設備工事や間取り変更に多額の費用がかかります。立地や想定賃料を踏まえた事業収支を作成し、投資を回収できるか確認することが重要です。

3.事務所・アトリエ・店舗として活用する

住宅としての需要が弱い場合でも、事務所、アトリエ、教室、予約制サロン、小規模店舗などとして活用できることがあります。

特に、次のような用途との相性が考えられます。

  • デザイン事務所
  • 制作アトリエ
  • 写真スタジオ
  • ネイルサロン
  • 整体・施術所
  • 学習塾
  • 料理教室
  • 地域交流スペース
  • 物販店
  • 飲食店

ただし、用途地域によって営業できる業種や規模が制限されている場合があります。

また、用途変更の確認申請が不要な規模であっても、建築基準法や消防法への適合が不要になるわけではありません。国土交通省も、200平方メートル以下の一定の用途変更について確認手続きが不要となる場合でも、法令への適合は必要と案内しています。

事業用途で活用する場合は、建築、消防、保健所などへの事前相談が必要です。

4.倉庫・トランクルームとして活用する

居住用として貸すことが難しい場合は、倉庫や収納スペースとしての活用も選択肢です。

住宅として使用する場合に比べ、内装や住宅設備への投資を抑えられる可能性があります。

例えば、次のような需要が考えられます。

  • 近隣住民の季節用品の保管
  • 法人の書類や備品の保管
  • EC事業者の商品在庫保管
  • 工具や撮影機材の保管
  • 趣味用品の収納
  • 引っ越しや建て替え期間中の一時保管

ただし、接道条件や建物の構造によっては、大型荷物の搬入が難しい場合があります。また、建物の用途や保管物の種類によっては、消防設備などの対応が必要です。

周辺需要と搬入経路を確認したうえで判断しましょう。

5.自宅やセカンドハウスとして使い続ける

収益化だけが活用ではありません。

建物の状態が良好であれば、自宅や二拠点生活の拠点、親族用住宅として使い続ける選択肢もあります。

再建築不可物件は、売却すると価格が低くなりやすいため、無理に手放すよりも、必要な修繕を行いながら利用したほうが所有者にとって価値が高い場合があります。

ただし、将来的に建物が老朽化し、使用できなくなった場合には建て替えが難しくなります。

長期間使い続ける場合は、次の項目を早めに確認しておきましょう。

  • 耐震性
  • 雨漏り
  • 基礎や構造材の劣化
  • 給排水管の状態
  • 屋根や外壁の修繕時期
  • 将来必要になる修繕費
  • 相続後の管理方法

6.隣地を購入・借用して接道条件を整える

隣接地の一部を購入したり、土地を交換したりすることで、道路への接道幅を2メートル以上確保できれば、再建築可能になる場合があります。

例えば、道路に接する間口が1.8メートルしかない場合、隣地から幅20センチメートル以上の土地を購入することで、接道条件を満たせる可能性があります。

ただし、単に通行できるようになればよいわけではありません。

次のような確認が必要です。

  • 購入後の敷地形状
  • 建築基準法上の道路種別
  • 接道部分の有効幅員
  • 隣地の住宅ローンや抵当権
  • 土地の分筆可否
  • 最低敷地面積
  • セットバックの有無
  • 所有権または借地権などの権利関係

隣地所有者との交渉には時間がかかることもありますが、再建築可能になれば、物件価値が大きく変わる可能性があります。

売却や活用を急いでいない場合は、検討する価値のある方法です。

7.建築基準法第43条第2項の認定・許可を検討する

敷地が通常の接道義務を満たしていなくても、一定の条件を満たし、交通上、安全上、防火上、衛生上の支障がないと判断されれば、建築基準法第43条第2項に基づく認定または許可を受けられる可能性があります。

東京都でも、第43条第2項に基づく認定・許可制度が設けられています。

審査では、一般的に次のような事項が確認されます。

  • 敷地から道路までの通路幅
  • 通路の延長
  • 通路部分の権利関係
  • 将来にわたって通路を確保できるか
  • 建物の用途、規模、構造、階数
  • 避難や消防活動に支障がないか
  • 周囲の建築物や住環境への影響

ただし、許可基準や運用方法は自治体によって異なります。

また、過去に同じ敷地で許可を受けていたからといって、次回も必ず許可されるとは限りません。

建て替えを検討する場合は、建築士とともに所管行政庁へ事前相談を行う必要があります。

再建築不可物件は売却できる?

再建築不可物件でも売却は可能です。

ただし、一般的な物件よりも購入希望者が限られ、売却価格が低くなる傾向があります。

特に金融機関の住宅ローンや不動産投資ローンが利用しにくいため、購入者が現金で取得できる投資家や不動産会社に限定されることがあります。

主な売却方法は次の3つです。

一般の購入者へ売却する

現在の建物をそのまま利用したい人や、価格を重視する人に売却する方法です。

時間をかけて購入者を探す必要がありますが、立地や建物の状態が良ければ、一定の需要が見込めます。

不動産投資家へ売却する

戸建て賃貸やシェアハウス、店舗などへの活用を目的とする投資家へ売却する方法です。

購入後の収益性を説明できる資料があると、検討されやすくなります。

想定賃料、改修費、周辺需要などを整理しておくことが有効です。

買取会社へ売却する

再建築不可物件を取り扱う不動産会社に直接買い取ってもらう方法です。

一般売却よりも価格が低くなる可能性はありますが、早期に現金化しやすく、契約不適合責任を限定できる場合があります。

ただし、最初から買取だけに絞るのではなく、活用した場合の収益や、再建築可能化の可能性も確認してから判断することをおすすめします。

更地にしてしまう前に確認したいこと

再建築不可物件では、建物を解体すると新しい建物を建てられなくなる可能性があります。

そのため、老朽化しているからといって、調査をせずに解体するのは注意が必要です。

また、住宅を解体して更地にすると、住宅用地に対する固定資産税などの特例が適用されなくなり、税負担が増える可能性もあります。

解体前には、少なくとも次の事項を確認しましょう。

  • 本当に再建築不可なのか
  • 第43条第2項の認定・許可の可能性
  • 隣地取得による再建築可能化の可能性
  • 現在の建物を改修して使えるか
  • 建物を残した場合と解体した場合の税負担
  • 売却価格への影響
  • 解体後の土地活用方法

一度解体すると元に戻すことはできません。

解体業者へ依頼する前に、建築と不動産の両面から検討することが大切です。

再建築不可物件を活用する際の注意点

改修費をかけすぎない

再建築不可物件は、将来の売却価格や担保評価が上がりにくいことがあります。

内装や設備に多額の費用をかけても、投資額を回収できるとは限りません。

改修内容を決める際は、「きれいにすること」ではなく、「誰に、いくらで、何年間貸せるか」から逆算する必要があります。

融資を利用できるとは限らない

再建築不可物件は担保評価が低くなりやすく、金融機関から融資を受けにくい傾向があります。

改修費についても、自己資金が必要になる可能性があります。

活用計画を立てる際は、融資を前提にせず、自己資金で対応できる範囲や投資回収期間を確認しましょう。

違法建築と既存不適格を区別する

古い建物には、現在の法律には適合していなくても、建築当時は適法だった「既存不適格建築物」があります。

一方で、確認申請と異なる増築などが行われた「違反建築物」である可能性もあります。

既存不適格と違反建築は意味が異なり、改修や用途変更を行う際の対応も変わります。国土交通省も、既存建築物の改修に関する法適用や緩和措置について解説資料を公開しています。

購入時や相続時の資料だけで判断せず、現況調査を行うことが重要です。

自治体ごとに基準が異なる

道路の扱い、第43条第2項の許可基準、用途変更、条例などの運用は、自治体によって異なります。

インターネット上で似た事例が見つかっても、自分の物件に同じ基準が適用されるとは限りません。

必ず物件所在地を管轄する自治体や特定行政庁に確認しましょう。

活用・売却を判断するための5つの調査

再建築不可物件の方針を決める際は、次の5つを調べることで選択肢を整理しやすくなります。

1.道路と接道状況

道路種別、接道幅、通路幅、セットバックの有無を調査します。

2.土地と通路の権利関係

登記簿、公図、地積測量図などを確認し、通路部分の所有者や通行・掘削の権利を調べます。

3.建物の状態

雨漏り、傾き、シロアリ、耐震性、基礎、屋根、外壁、給排水設備などを確認します。

4.賃貸・事業需要

周辺の賃料、人口、駅からの距離、競合物件、利用者層などを調査します。

5.改修費と収支

必要な工事費、想定賃料、空室率、管理費、修繕費を整理し、投資回収期間を計算します。

これらを調べずに「売れない物件」「活用できない物件」と決めつけてしまうと、本来残っていた選択肢を見落とす可能性があります。

再建築不可物件は、売却と活用を比較して判断する

再建築不可物件には、すべての物件に共通する正解はありません。

建物の状態が良く、賃貸需要がある場合は、改修して貸し出す方法が適していることがあります。

一方で、大規模修繕が必要な物件や、賃貸需要が弱い地域では、早期売却のほうが所有者の負担を抑えられる場合があります。

大切なのは、買取価格だけを見て判断するのではなく、次の選択肢を比較することです。

  • 現状のまま売却する
  • 最低限の改修をして売却する
  • 戸建て賃貸として運用する
  • シェアハウスや事業用途に転用する
  • 隣地取得などで再建築可能化を目指す
  • 第43条第2項の認定・許可を検討する
  • 自宅や親族用住宅として使い続ける

複数の選択肢について、必要な費用、想定収入、期間、リスクを比較したうえで判断しましょう。

再建築不可物件の活用・売却を無料でご相談いただけます

株式会社スペリアルでは、空き家や築古戸建て、再建築不可物件について、売却だけに限定しない活用方法をご提案しています。

不動産仲介・賃貸管理だけでなく、空き家活用コンサルティング、シェアハウス運営、リノベーションの設計・監理まで対応しているため、物件の状態や立地に応じて複数の選択肢を比較できます。

「再建築不可と言われたが、本当に方法がないのか確認したい」

「売却と賃貸活用のどちらがよいか判断できない」

「相続した実家を今後どうすればよいか分からない」

「改修費をかけても回収できるのか知りたい」

このような段階でも問題ありません。

物件資料や現地の状況を確認したうえで、活用、賃貸、売却、管理などの可能性を整理します。

まだ売却や工事を決めていない方も、まずはお気軽に無料相談をご利用ください。

※再建築の可否、用途変更、改修工事の可否などは、物件の所在地、接道状況、建物の状態、自治体の条例や行政判断によって異なります。個別の計画については、行政、建築士、土地家屋調査士などへの確認が必要になる場合があります。

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